多種多様な香辛料が世の中にはあります。普通では食事をより美味しくしてくれる香辛料ですが、こと顔汗に関しては天敵となる存在が確かにあります。どの香辛料がどれだけ汗をかかせるのかを検証してみました。
汗をかきやすく人前では控えたほうがよいもの。わりと汗をかきにくく人前でも食べたりできるもの。これらが分かれば急な食事会などでも安心して参加できるのではないでしょうか。
和がらしの顔汗への影響
日本では和がらしといい、セイヨウカラシナ種子を粉末にした粉からしを水で溶いて練った物いいます。
セイヨウカラシナから分かるように、日本独自の素材では無く、インドや中国から伝わった食材と言われています。
粉からしの状態だと臭いも刺激もさほどないが、水やぬるま湯で練ってしまうと、辛味成分が出てきて「からし」になるのです。
からしを使いたい場合、納豆などに入れる場合であっても練りすぎると辛味成分が増えてしまうので練りすぎないようにしたい。
私も納豆にはからしを入れるがあまり混ぜないで食べると全く持って汗は出ない。
中華屋さんで出てくる(冷やし中華などに付いている)練ってあるからしと、コンビニのおでんに付いてくる水っぽいからしとでは辛さが違いますよね。水っぽい方が辛くないのは練る頻度の違いからです。
また、和からしに、砂糖や酢やその他の香辛料を入れたものを洋がらしといい、聞きなじみのある言葉で言うとマスタードと言われています。
からしの辛さの中和方法
水分量を多くすると辛くなくなることから水や冷たいお茶などを飲むと中和されます。
わさびの顔汗への影響
和食の刺激物の王道わさびはアブラナ科、ワサビ属で日本原産の植物です。
わさびの辛味は唐辛子のようなカプサイシンではなく、わさびのからさの秘密はすりおろした過程で酸素と結びついて起こる現象で、すりおろしてから30分後にはじょじょに辛味と風味が落ちてくる。
この事からわさびの場合はすりたてを気をつけて食べてもらいたい。
わさびの辛さの中和方法
本格派のすって食べるわさびの場合は最初にすっておいてから食べる。
時間を置いてから食べるようにすると、汗をかきにくくできます。(それでも一度に大量摂ると危険です。)
お酢の顔汗への影響
お酢の主成分は酢酸と呼ばれる成分で、糖質を原材料としアルコール発酵させたもの、酢酸発酵させた液体がお酢になります。
では何故お酢が汗に関係しているかというと、発酵による刺激と刺激臭がが強いためです。
それと、お酢には多くの有機酸が含まれており、これが脂肪燃焼効果を発揮します。脂肪燃焼をする=体のエネルギーを使うので体温が上がり、汗をかきやすくしてしまうのです。
自分は汗をかくの良く知ってる友達と食事にいくのですが、最初の方は「お寿司なら冷たいし、汗大丈夫でしょ」と誘われお寿司屋さんに食べに行ってました。お寿司をわさび抜きにして、冷ましたお茶を飲んでいたにも関わらず汗をかいてしまいました。なぜ汗をかくのだろう…??と困り果てていた時にお酢が原因と分かりました。
お酢の刺激の中和方法
仕事などでお寿司屋さんに会食へ行くときは本当に困りました。しかしそんな時の対処法として、お水やジュース、お酒などを飲みながらお寿司をつまむとよいです。お寿司一貫あたりに入っているお酢と同じ分量の水分をとると中和され汗をかきにになります。
生姜(ショウガ)の顔汗への影響
生姜の歴史は古く日本では古事記、中国などでは2000年前から伝わっており、起源はアジアですが世界各国に広がりました。
中国などでは薬用としても用いられています。湿布や漢方薬として使用され、主に発散作用、鎮吐作用、健胃作用などに効果があるとされています。
西洋では様々な料理に用いられ、主に肉の臭みを消す作用で用いられる事が多いです。
ここで注目したいのは薬用として用いられ、発汗作用があるとされる生姜。「生姜を食べると風邪を引きにくくなる、生姜は体を温める」などと聞いたことがあると思います。
生姜に加熱処理を加えた場合、辛みの強いショウガオールという成分が出てきます。このショウガオールが血行を良くして体の芯から温めてくれる効果があると言われています。
最近ではこのショウガオールを使って血行を良くしてのダイエット「ショウガオールダイエット」なども流行しています。
生姜の辛さの中和方法。
上記のことから生姜を食べる際は熱を加えたものを避けて、薬味などで摂取するように心がければ汗対策になると思います。
から揚げなどに入っている場合も多い生姜ですが、この場合はやはり少し冷ました状態の物を食べるようにしましょう。
ニンニクの顔汗への影響
和洋折衷どんな料理にも使われているニンニクはかなり刺激の強い食べ物です。私も大好きなニンニクですが、こと汗の事になるとニンニクはとても相性が悪いのです。
ニンニクの刺激の原因は主成分であるアリシンという成分で、イオウ化合物です。このアリシンという成分がニンニクのあの強烈な刺激臭を出している素になっています。
元々のアリイン、アリナーゼという成分を、おろしたり、みじん切りにするなどした場合にアリシンという成分になり刺激と臭いを発します。
ニンニクには刺激の強い臭いの他に、ビタミンB1などが多く含まれる食材で、ビタミンB1は糖質を代謝してくれます。
普段体内ではビタミンB1は生成されず摂取からでしか取れないので、ビタミンB1を摂取した場合の代謝は凄まじく、「ニンニクを食べると元気がでる!」なんて言われるのはこのためです。
刺激&代謝の両方から汗をかきやすくさせるニンニクは大変美味しいですが顔汗の天敵ともいえるのではないでしょうか。
ニンニクの刺激の中和方法
ニンニクの一番の汗の原因はアリシンで、アリシンを出させないように摂取すると汗をかきにくくできます。
上記でいった通り、アリシンはすりおろしたり、切ったりすると出てしまうので料理に使用されている場合ほとんどのものにアリシンが発生してしまっています。
アリシンを中和させるには、ポリフェノール、カテキンなどを一緒に摂取するのが刺激臭を消すのに一番良いとされています。
食事の際これらを効率よく摂取するにはパセリやホウレンソウなどのポリフェノールの多い食材を食べる事や、お茶(緑茶よりもウーロン茶など)のカテキンの多い飲み物を飲みながら食事をすると、アリシンの刺激臭を抑える事ができます。
唐辛子の顔汗への影響
唐辛子の原産地は韓国や、中国などのイメージですが、中南米だと言われています。
コロンブスが胡椒と勘違いし、「レッドペッパー」とよんだことからメキシコなどの中南米から伝わったとされています。
唐辛子はカプサイシンと言われる成分があり、これが辛みの原因でり、血行促進させ、汗を出させるひどい奴なんです(笑)
カプサイシンは辛み成分で交感神経に直接作用し、細胞を活性化させて、冷え性を軽減する他、デトックス効果、便秘解消作用、ストレス解消効果などもあるとされています。
健康効果からいうとカプサイシンはとても優秀な成分で、血管を拡張して血流をアップさせ、エネルギー代謝を高め体を温めたり、胃腸の吸収を助ける働きがあったり、薄毛など髪の毛の毛根の血行も良くしてくれる大変すばらしい食材です。
ですが、汗とカプサイシンは天敵ですよね。唐辛子を制すれば、汗を制すと言われてもいいと思います。
唐辛子の辛さの中和方法
まず初めに水は絶対NGです。これはカプサイシンは脂溶性で、水に溶けにくい性質をもっているからです。
カプサイシンにたいして有効なのは、牛乳、ヨーグルト、アイスクリーム、マヨネーズ、チーズといった乳製品です。
さらには辛みに対して苦みがかなり有効的で、ブラックコーヒーなどがよいでしょう。
辛みには酸味も有効ですが、酸味は刺激物で、汗を促進させるのでおすすめしません。
辛さには乳製品と覚え、もし唐辛子などが少しでも入った食事をする場合は食事に合った乳製品を一緒に食べる事をおすすめします。
まとめ
今回は香辛料が顔汗に対してどのように作用するのかを検証してきました。今回紹介した香辛料の他にもハバネロ、七味、胡椒、タバスコ、ラー油など身近な香辛料が世の中にはたくさんあります。しかし私は「確実に汗をかくと思われる食べ物は最初から口にしない!」というスタンスをとっています。顔汗を防ぐにはまず汗をかきそうなものは口にしない事から始め、食事の際、今回紹介した方法で汗をかきにくくする状況を作ってみてください。物足りないと思うかもしれませんが、香辛料を楽しむのは汗をどれだけかいてもいい状況のみにしましょう。顔汗で悩む人が少しでも救われますように!